登録に必須の動物取扱責任者の要件

ブリーダーやペットショップ、ペットホテルなどの第1種動物取扱業の登録をして、事業をはじめるためには、いくつかの基準を満たさなくてはいけません。

 

そのうち、動物取扱責任者を1名以上、専属、常勤で配置しなくてはいけないという基準があります。

 

ここでは、必ず置かなければいけない動物取扱責任者について詳しくご案内していきます。

 

1.動物取扱責任者になるためには

1-1.要件

動物取扱責任者となるためには、次の2つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 次の1~4のうちいずれかに該当していること
    1. 獣医師の免許
    2. 愛玩動物看護士の免許
    3. 実務経験(または飼養経験) + 学校の卒業
    4. 実務経験(または飼養経験) + 資格の取得
  • 事業所のすべての職員に対して、動物取扱責任者研修で得た知識・技術に関して指導できる能力があること

1-2.実務経験とは

動物取扱責任者になるための実務経験 

= 第1種動物取扱業者において、業種ごとに半年以上の、動物を取扱った常勤職員としての実務経験

つまり、アルバイトであったり、単なる事務ではだめということです。

 

業種ごとに認められる実務経験は、以下の表をご覧ください。

登録しようとする第1種動物取扱業の業種 動物取扱責任者になるために実務経験があると認められる業種
(1)販売(飼養施設あり) (1)(5)
(2)販売(飼養施設なし) (1)(2)(5)
(3)保管(飼養施設あり) (1)(3)(5)(6)(8)(10)
(4)保管(飼養施設なし) (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)
(5)貸出し (1)(5)
(6)訓練(飼養施設あり) (6)
(7)訓練(飼養施設なし) (6)(7)
(8)展示 (8)
(9)競りあっせん (1)(2)(9)
(10)譲受飼養 (1)(3)(5)(6)(8)(10)

 例えば、「貸出し」として第1種動物取扱業の登録をしようとするとき、「販売(飼養施設あり)」、または「貸出し」での、半年以上の実務経験のある人が、動物取扱責任者になるための「実務経験あり」と認められることになります。

1-3.飼養経験とは

動物取扱責任者になるための飼養経験

= 取扱おうとする動物の種類ごとの、実務経験と同等1年以上の飼養経験

 

※「実務経験と同等」であるため、ペットの飼養経験は、ここでの「飼養経験」としては認められません。ボランティアとか、常勤職員ではない形で、動物を扱った飼養経験が想定されます。

1-4.学校の卒業とは

動物取扱責任者になるための学校の卒業

= 業種ごとに必要な知識・技術について1年以上教育する、学校法人などの教育機関の卒業

 

ご自身で卒業された学校が、この要件に当てはまるのか知りたい場合は、お問い合わせください。

1-5.資格の取得とは

動物取扱責任者になるための資格の取得

= 公平性・専門性のある団体の客観的な試験により、業種ごとに必要な知識・技術を習得したことが分かる資格

 

どの業種の動物取扱責任者になることができるかは、具体的な資格ごとにまちまちです。詳しく知りたい場合は、お問い合わせください。

1-6.欠格要件

上記1-1の要件を満たすほかに、以下の欠格要件に該当していないことも必要です。

  1. 精神機能の障害によって、業務に必要な認知・判断・意思疎通が適切にできない者
  2. 破産者で復権を得ない者
  3. 第1種動物取扱業の登録の取り消し処分の日から5年を経過していない者
  4. 第1種動物取扱業の登録を取り消された法人で、その処分があった日前30日以内にその役員であり、その処分の日から5年を経過していない者
  5. 第1種動物取扱業の業務停止を命じられ、その停止期間が経過していない者
  6. 禁固以上の刑に処せられ、その執行が終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
  7. 動物愛護管理法、その他の指定された法律の特定の規定に反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行が終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
  8. 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者
  9. 第1種動物取扱業の登録取消処分の聴聞通知後から、その処分決定までの間に廃業等の届出をした者で、その届出の日から5年を経過していない者
  10. 第1種動物取扱業の法人で、登録取消処分の聴聞通知後から、その処分決定までの間に、その法人が廃業等の届出をしたとき、聴聞通知の日30日前からその廃業等の日までの間に役員であって、その届出の日から5年を経過していない者

2.動物取扱責任者がしなくてはいけないこと

  • 自治体が開催する動物取扱責任者研修を受けること
  • 責任者研修によって得られた知識・技術を、事業所のすべての職員に対して指導すること
  • 勤務する第1種動物取扱業者において、違反が行われないように、動物や施設の管理者を監督すること

※動物取扱責任者から指導などがあったとき、その第1種動物取扱業者は、動物・施設の管理に関して改善するように努めなければいけません。

3.重要事項の説明などをする職員について

第1種動物取扱業の登録をするための基準では、「事業所ごとに、顧客に対し、適正な動物の飼養・保管の方法などの重要事項を説明し、動物を取扱う職員を配置すること(事業所以外の場所においても同様)」という趣旨の事項があります。

 

この職員になるための要件は次の3つです。

よって、動物取扱責任者がこの職員を兼ねることができます。

4.まとめ

第1種動物取扱業に登録するためには必ず置かなければいけない動物取扱責任者の要件と、動物取扱責任者がしなければいけない事項についてご案内しました。

また、重要事項を説明する職員についてもあわせてご案内しました。

 

第1種動物取扱業に登録するためには、動物取扱責任者になれる人を探すのが最も大変なことだと思います。

ぜひ参考としてください。

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