第1種動物取扱業の登録をして、事業を開始した後、動物愛護管理法上の守っていかなければいけない様々なことがあります。
第1種動物取扱業の登録をして、事業を開始した後、動物愛護管理法上の守っていかなければいけない様々なことがあります。
ここでは、動物愛護管理法における、第1種動物取扱業者全般の責務と、第1種動物取扱業者のうち犬猫販売業者に特有の責務ついてご案内します。
目次
次の場合には、あらかじめ届出をする必要があります。
※上記1と2は、第1種動物取扱業の登録の申請内容の一部です。
次の場合は、変更してから30日以内に届出をする必要があります。
上記の、軽微な変更とは、以下の変更のことです。
※「飼養施設の設備等」とは、ケージなど、照明設備、給水設備、排水設備、洗浄設備、消毒設備、汚物・食べ残しなどの廃棄物の集積設備、動物の死体の一時保管場所、エサの保管設備、清掃設備、空調設備、遮光設備や風雨を遮るための設備、訓練場のことをいいます。これらを記載した平面図を申請時には提出しています。
次の場合には、30日以内に届出をする必要があります。
事業所ごとに、標識を顧客の出入口から見やすい場所に掲示する必要があります。
事業所以外で営業をする場合には、識別章を、顧客と接するすべての職員の胸部など、顧客から見やすい位置に掲示する必要があります。
動物の健康・安全の保持とともに、生活環境に支障が生じることを防止するため、取扱う動物の管理方法について、基準省令(正式名称:第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令)を遵守しなければいけません。
動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)を販売する場合、あらかじめ一般消費者などの顧客(顧客に第1種動物取扱業者は含みません)に対して、事業所において動物の現在の状況を直接見せる必要があります。
(よって、インターネット上だけで販売することはできません。)
また、対面で書面などを用いて、当該動物の飼養・保管の方法などに必要な以下の18項目の情報を提供しなければいけません。
これらの情報を、顧客が提供を受けたことを確認するため、相手に署名などをしてもらいます。(基準省令による)
以下の表のとおり、上段にある業種が、◎が書かれてある台帳・帳簿(すべて5年間保存)を備えなければいけません。
台帳・帳簿の種類 | 販売業(飼養施設あり) | 販売業(飼養施設なし) | 保管業(飼養施設あり) | 保管業(飼養施設なし) | 貸出業 | 訓練業(飼養施設あり) | 訓練業(飼養施設なし) | 展示業 | 競りあっせん業 | 譲受飼養業 |
飼養施設・動物の点検状況記録台帳 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |||
繁殖実施状況記録台帳 | ◎※1 | ◎※1 | ◎※1 | |||||||
動物取引記録台帳※2 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
取扱う動物の帳簿※3 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
※1 繁殖を実施する場合のみ、台帳を備える必要があります。
※2 「取扱う動物の帳簿」を個体ごとに作成している場合は、動物取引記録台帳を備えなくても良いです。
※3 「取扱う動物の帳簿」は、以下の事項を記載しなくてはいけません。(犬猫の場合は個体ごとに、それ以外の場合は動物の品種ごとに記載します。)
※取扱う動物の帳簿の記載事項の裏付け資料(取引伝票など)も、整理・保存するように努めなければいけません。
動物取扱業者(販売、貸出し、展示、譲受飼養をする業者)は、毎年4月1日から翌年3月31日までの期間中における次の事項を、5月30日までに都道府県知事に届出をする必要があります。
※初めて登録したときは、その日から3月31日までの期間について、5月30日に届出をします。
犬猫販売業者は、上記の「1.第1種動物取扱業者の責務」以外にも、特有の、守らなければいけないことがあります。
ここでは、犬猫販売業者に特有の責務についてご案内します。
犬猫等健康安全計画は、第1種動物取扱業の登録の申請時に提出するものです。
犬猫等健康安全計画を守っていないと、都道府県知事などが報告を求めたり、立ち入り検査することがあります。
取扱う犬猫の健康に問題が生じた場合、すぐに獣医師の診察を受けられるようにすることで、犬猫の健康・安全を確保するために獣医師との連携が必要です。
獣医師との連携状況は、犬猫等健康安全計画にも記載すべき項目となっています。
販売ができなくなった犬猫についても終生飼養(命の最後まで、適切に飼養・保管すること)をしなければいけません。
ただし、犬猫販売業者が引き続き飼養することが求められているのではなく、動物愛護団体などと連携・協力して、譲渡先を見つけることでも問題ありません。
販売のために繁殖を行っている犬猫販売業者は、生まれてから56日を経過していない犬猫を引き渡し・展示することはできません。
犬猫販売業者が所有する犬猫が死亡した場合、必要があるときは、都道府県知事などから、一定期間内に獣医師による検案を受けて、検案書や死亡診断書の提出を命令されることがあります。
動物愛護管理法上の、第1種動物取扱業者全般の責務と、犬猫販売業者に特有の責務をご案内しました。
これらの責務のうち、動物管理方法については基準省令に記載されている事項を守っていく必要があります。
基準省令には、第1種動物取扱業者のすべての業種が守っていく共通事項と、事業内容に応じて当てはまることを守っていく個別事項がありますので、それぞれ確認して守っていきましょう。