第2種動物取扱業の届出の基準と責務

非営利で動物を扱うためには、動物愛護管理法(正式名称:動物の愛護及び管理に関する法律)によって、あらかじめ、「第2種動物取扱業」の届出をする必要があります。

 

ここでは、第2種動物取扱業の届出と、第2種動物取扱業者の責務についてご案内します。

 

1.第2種動物取扱業とは

第2種動物取扱業として届出をしなければいけないのは、社会性をもって、営利性がなく行うものであり、次の表の業種のとおりです。

業種

業の内容

譲渡し

動物を無償で譲り渡す

◇シェルターなどがあって、譲渡活動を行う動物愛護団体

◇里親探しの譲渡ボランティア

保管

保管を目的に顧客の動物を預かる

◇非営利のペットシッター

貸出し

愛玩、撮影、繁殖などの目的で動物を貸し出す

◇非営利のペットレンタル業者

訓練

顧客の動物を預かり訓練を行う

◇盲導犬などを飼養する団体

展示

動物を見せる(動物との触れ合いを含む)

◇公園などで触れ合い活動を行う団体

◇アニマルセラピーのボランティア

 

第2種動物取扱業をしようとするときは、事前に、所在地の都道府県などで、業種・飼養施設ごとに届出をします。

2.第2種動物取扱業の届出の基準

第2種動物取扱業の届出をするためには、2つの基準があり、両方を満たしている必要があります。

2-1.飼養施設に関して

次の基準にすべて適合していないと届出ができません。

  1. 飼養施設は、人が住む部分と区分できていること※1※2
  2. 飼養施設は以下の設備を備えていること ※これらは、申請時に提出する平面図に記載します。
    • ケージなど
    • 給水設備
    • 消毒設備
    • エサの保管設備
    • 清掃設備
    • 遮光や風雨を遮るための設備(ケージなどがすべて屋内にあるなど、この設備が必要ない場合は除く)
    • 訓練場(飼養施設での訓練業に限る)

※1 動物の飼養・保管を一時的に委託を受けて行う場合を除きます。

 

※2 専用の飼養施設がある場合だけではなく、飼養のための部屋を設けたり、ケージなどによって区分けすることでも良いです。

2-2.取扱う動物の数に関して

以下の表に書いてある合計数以上の動物がいる可能性があれば、届出の必要性があります。

区分

合計数

大型

3頭以上

ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、シカ、ロバ、イノシシ、ダチョウ、クジャク、ツル、フラミンゴなどの哺乳類、鳥類、または爬虫類

中型

10頭以上

イヌ、ネコ、ウサギ、タヌキ、キツネ、アヒル、ニワトリ、キジ、ガチョウ、ヘビ(1m以上)、イグアナ、ウミガメなどの哺乳類、鳥類または爬虫類

小型

50頭以上

リス、ハムスター、インコ、ハト、オシドリ、ヘビ(1m以下)、ヤモリなどの哺乳類、鳥類または爬虫類

大型 + 中型

10頭以上

 

大型 + 中型 + 小型

50頭以上

 

3.第2種動物取扱業者の責務

第2種動物取扱業の届出をして、事業を開始した後、動物愛護管理法上の守っていかなければいけない様々なことがあります。

 

ここでは、動物愛護管理法における、第2種動物取扱業者の責務についてご案内します。

(第1種動物取扱業者の責務はこちらから ⇒リンク(登録後に行う第1種動物取扱業の責務)

3-1.変更前の届出

次の場合は、あらかじめ届出をする必要があります。

  1. 行おうとする業種とその内容・実施方法を変更しようとする場合
  2. 取扱う動物の種類・数を変更しようとする場合 (ただし、取扱う動物の種類・数が減少するときは、届出は不要です)
  3. 飼養施設の構造・規模を変更しようとする場合 (ただし、飼養施設の規模増大で、増大する部分の床面積が、施設の延べ床面積の30%未満であるときは、届出は不要です)
  4. 飼養施設の管理の方法を変更しようとする場合
  5. 事業の開始年月日を変更しようとする場合
  6. 飼養施設の建物や土地について、事業実施に必要な権限の変更をしようとする場合

※飼養施設の設備等(ケージなど、給水設備、消毒設備、エサの保管設備、清掃設備、遮光や風雨を遮るための設備、訓練場)の変更で、現在の設備等と同等以上の機能を有する設備等への改設をするときは、届出は不要です。

3-2.変更後の届出

以下を変更したときは、変更した日から30日以内に届出をする必要があります。

  • 第2種動物取扱業者の氏名または名称と住所(法人であるときは代表者の氏名も)の変更
  • 飼養施設の所在地の変更
  • 飼養施設の廃止

3-3.廃業の届出

次の場合には、30日以内に届出をする必要があります。

  1. 死亡 (届出人:相続人)
  2. 法人が合併によって消滅 (届出人:法人を代表していた者)
  3. 法人が破産手続きで解散 (届出人:破産管財人)
  4. 法人がその他の理由で解散 (届出人:清算人)

3-4.基準の遵守

動物の健康・安全の保持とともに、生活環境の保全上の支障が生じることを防止するため、取扱う動物の管理の方法などについて、基準省令(正式名称:第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令)を遵守しなければいけません。

3-5.帳簿等の備付

以下の表のとおり、上段にある業者が、それぞれの台帳・帳簿を枠内に記載されているとおりに備える必要があります。

台帳・帳簿の種類 第2種動物取扱業者全般 犬猫の譲渡しを行う第2種動物取扱業者
動物の増減状況の記録台帳※1 義務 不必要※2
飼養施設の点検状況記録台帳 努力義務 努力義務
取扱う犬猫の帳簿※4 任意※3 義務

 

※1 5年間保存する必要があります。

 

※2 第2種動物取扱業者は、「動物の増減状況の記録台帳」を備えなければいけませんが、犬猫の譲渡しを行う第2種動物取扱業者は、「取扱う犬猫の帳簿」を備えているはずであり、この帳簿があるときは、「動物の増減状況の記録台帳」を備える必要はありません。

 

※3 犬猫を飼養していない第2種動物取扱業者は、「取扱う犬猫の帳簿」は当然備えられません。

 

※4 「取扱う犬猫の帳簿」は、以下の事項を個体ごとに記載し、5年間保存する必要があります。

  1. 当該犬猫の品種
  2. 当該犬猫の繁殖者の氏名または名称、登録番号または所在地
    • 譲受けた犬猫で繁殖を行った者が分からないときは、譲渡した者の氏名または名称・所在地
  3. 当該犬猫の生年月日(生年月日がわからないときは、推定される生年月日と輸入年月日)
  4. 当該犬猫を所有した日
  5. 当該犬猫を譲受けたとき、譲渡した者の氏名または名称、所在地
  6. 当該犬猫を譲渡した日
  7. 当該犬猫を譲渡した相手の氏名または名称、所在地
  8. 当該犬猫の譲渡しの際の情報提供の実施状況
  9. 当該犬猫が死亡した日(飼養・保管している間に死亡した場合に限る)
  10. 当該犬猫の死亡原因

※帳簿の記載事項の裏付け資料(取引伝票など)も、整理・保存するように努める必要があります。

3-6.マイクロチップ

第2種動物取扱業者は、犬猫販売業者ではないので、犬猫にマイクロチップを装着することは努力義務です。

 

ただし、装着した場合は、マイクロチップへの情報の登録が義務となります。

3.まとめ

第2種動物取扱業者の届出をするための基準と、事業をはじめてから守っていかなければいけない、第2種動物取扱業者の責務をご案内しました。

 

当WEBサイトでは、届出に関するサポートを行っております。お困りのときは、ぜひご活用ください。

4.当WEBサイトについて

当WEBサイトを運営する、原澤行政書士事務所での報酬は下表のとおりです。

業務内容 報酬代金(税込)
第2種動物取扱業の届出 ※1 3万8,500円~
第2種動物取扱業の届出の変更 ※2 1万6,500円~

※1 業種が増えるごとに、8,800円(税込)加算

※2 業種が増えることに、5,500円(税込)加算

※報酬代金のほかに、必要経費をいただきます。

※書類作成のみ(図面は除く)であれば、全国対応可。その場合の料金は、お問い合わせください。

 

確実に手続きができますので、安心してお任せしていただけると思います。

こちらのページもご覧ください。

基準省令~第2種動物取扱業者の動物管理方法
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